マンション管理組合の総会招集通知について電子メールを利用することができるか〈令和8年(2026)年4月1日施行の改正区分所有法のもとにおいて〉
【質問】 私は、マンション管理組合の理事長です。現在、当マンションの理事会で、「総会招集通知(区分所有法35条【※1】)について電子メールを利用して行うことができるか」という点で見解が対立しています。 理事の一人から「区分所有法は電磁的方法による招集通知を許容していない。区分所有法35条【※1】には電磁的方法に関する明文規定が存在しない。区分所有法は、いくつかの場面で電磁的記録や電磁的方法の利用については明文で定めており(例えば、規約の作成に関する30条5項【※2】、議決権行使に関する39条3項【※3】、議事録作成に関する42条4項【※4】、電磁的方法による決議に関する45条【※5】)、また、会社法299条3項【※6】や一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般社団法人法」という。)39条3項【※7】は明文で電磁的方法による通知について定めている。区分所有法35条には電磁的方法に関する明文規定が存在しないということは、電磁的方法による招集通知を許容していないということだ。」との見解が出ています。 私としては、電磁的方法による招集通
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5月16日
別荘地における土地所有者に対する区分所有法の規定の適用について
【質問】 団地【※1】と言ってもよいような別荘地内の土地(別荘地を購入してから現在まで更地のまま)の所有者に対し、区分所有法の規律を及ぼすことは可能でしょうか。具体的には、区分所有法65条【※2】でいう団体で定める規約を根拠として、その土地所有者に対し、管理費等の支払を求めることは可能でしょうか。 【※1】団地とは ご質問者が言う「団地」の意義は明確ではありませんが、一般に、「団地」とは、「客観的に一区画をなしていると認められる土地の区域を指称する」ともいわれています。ただし、これも明確な概念とはいえません(『建物区分所有法の改正』濱﨑恭生著(法曹会、1989年)418頁参照)。 そこで、本稿においては(ご質問者の用法とは異なるかもしれませんが)、数棟の建物の所有者が土地または附属施設を共有(またはこれらに関する権利を準共有)することによって関係づけられているときのその区域を「団地」ということにします。 【※2】区分所有法65条 (団地建物所有者の団体) 第65条 一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又は附属施設(これらに関す
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5月5日
令和8(2026)年4月1日施行の改正区分所有法6条2項について
令和8(2026)年4月1日施行の改正区分所有法6条2項について教えてください。改正前は「区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。」とされていましたが、改正後は「区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分若しくは自己の所有に属しない共用部分を使用し、又は自らこれらを保存することを請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。」と改正されました。 そもそも、この規定によらず、区分所有法6条1項、57条1項を根拠として、専有部分の区分所有者に対し、特定の行為(当該専有部分の補修工事等)をなすよう求めることもできると思うのですが、どうでしょうか。 ■ はじめに はじめに私見を述べると、改正前において
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4月21日
管理不全専有部分管理命令について
私は、管理組合の理事長です。令和8年4月1日施行の改正区分所有法との関係で教えてください。 ある区分所有者(以下「Y」といいます。)が専用使用しているバルコニー内に大量のゴミを置いており、上階や隣接する部屋の居住者が悪臭等で困っています。ただし、Yさんは「ゴミではない」と主張し続けており、全く協力してくれません。 管理組合は、改正区分所有法に基づく「管理不全専有部分管理人」(以下「管理人」といいます。)の選任を申し立て、選任された管理人によりゴミは処分してもらえると考えていますが、そのような考えでよいですか。 ■ はじめに(問題の所在の整理) 管理不全専有部分管理人に関しては、令和8年4月施行の改正区分所有法46条の8~12により下記【※1】のとおり規定されています。 ご質問のケース(以下「本件」といいます。)においては、Yさんは管理人による室内への立入りやバルコニーへの立入り自体を拒むものと思われます。 そのような場合に、管理人は、Yさんの意思に反して室内やバルコニーに立ち入り、物品(改正区分所有法46条の8第2項参照)を処分すること
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2月15日
専有部分が数人の共有に属する場合の区分所有者(組合員)の数(頭数)と議決権行使との関係
私は、管理組合の理事長です。将来問題となりそうな想定事例について教えてください。 例えば、101号室と102号室は、いずれもAさんとBさんの共有となっています。ただし、101号室の持分については、Aさんが3分の2、Bさんが3分の1であり、102号室の持分については、Aさんが3分の1、Bさんが3分の2となっています。 (質問1) 上記専有部分は、共有者の持分割合が異なっていますが、いずれもAさんとBさんが共有する専有部分であるため、区分所有者の数(頭数)は「1」としてカウントしてよいでしょうか。 (質問2) 令和8年4月施行の改正区分所有法40条は、「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。」と規定しています。 AさんとBさんは、上記規定を理由として、101号室の議決権行使者をAさん、102号室の議決権行使者をBさんとする旨を届け出て、二人で総会に出席し、某議案に対し、Aさんは反対、Bさんは賛成とする議決権を行使しました。 このような議決
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2025年12月29日
未納管理費等の一部弁済の充当について
私はマンション管理組合の理事長です。管理費等滞納者が未払い管理費等の一部を入金してきました。当該債務者は、この一部弁済金を、特定の元金に充当するよう指示してきました。管理組合はこれに従わなければなりませんか。 ■ 回答 具体的な事実関係によって変わってきます。まずは下記の勉強会資料をご確認ください。 EMG勉強会資料 マンション管理費等の一部弁済の充当pdf 本件においても、少なくとも一定の遅延損害金が発生しているはずです。そうだとすると、管理組合としては、まずはその遅延損害金に充当することができます。つまり、本件の債務者の指定に従う必要はないでしょう。 ただし、費用・利息(遅延損害金)に充当した後の債務(元金)充当に関しては債務者の指定に従う必要が出てきます。 なお、管理組合において、令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)第60条5項と同趣旨の規定がある場合には上記の説明がそのまま妥当しません(個別具体的判断が必要になります)ので、専門家に相談・依頼されたほうがよいでしょう。
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2025年11月30日
建物賃料債権差押えと当該建物の任意譲渡(建物所有者変更)との関係
今回は、以下のような設例について検討します。 設例 私たち管理組合(X)は、滞納区分所有者(A)に対する管理費等支払請求の判決(債務名義)に基づいて、Aが第三債務者(Z)に対し有する賃料債権の差押えをし、暫くは第三債務者(Z)から差押債権の取立てができていました。...
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2025年9月21日
マンション管理費等滞納トラブル~区分所有法59条競売請求の確定判決に基づく不動産競売申立てについて~
マンション管理費等滞納トラブル~管理費等債権回収に向けた法的措置について~ では、管理費等回収を目的としたオーソドックスな法的措置について検討しました。 今回は、オーソドックスな法的措置では解決できない場合の措置としての形式競売手続(区分所有法59条競売請求の確定判決に基...
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2025年6月21日
マンション管理費等滞納トラブル~管理費等債権回収に向けた法的措置について~
前回の マンション管理費等滞納トラブル~管理組合としての初動(初期対応)について~ では、相手方特定の問題や相手方に対する請求内容の問題を主に検討しました。 今回は、相手方に対する督促(支払催告)によっても相手方から支払がない場合における法的措置について検討します。...
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2025年6月21日
マンション管理費等滞納トラブル~管理組合としての初動(初期対応)について~
今回は、以下のような質問(本件)について検討します。 私はXマンション管理組合の理事長です。区分所有者(Yさん)は、管理費等を6か月滞納しています。 管理会社から次のように言われています。 「当社と管理組合との管理委託契約上、当社は、Yさんの最初の支払期限から起算して...
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2025年6月21日
理事長等に対するひぼう中傷を繰り返す区分所有者への対応
今回は以下のような質問について検討します。 私(X)は、1棟の建物(マンション)の管理組合(非法人)の理事長です。 マンションの区分所有者(Y)が、私のことをひぼう中傷する文書を、私以外の区分所有者に配布する行為を繰り返しています。ある文書には、私が管理組合のお金を特定...
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2025年4月19日
区分所有法57条の規定とマンション標準管理規約(団地型)77条の規定との関係
今回は以下のような質問について検討します。 私(X)は、2棟の建物(A棟とB棟)の区分所有者全員によって組織される団地管理組合(非法人)の理事長です。 当団地管理組合の管理規約は、マンション標準管理規約(団地型)(令和6年6月7日改正版)と同じような内容になっています。...
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2025年4月14日
インタビューシリーズ:職業としてのマンション管理士
今回は、2024年12月に実施した親泊哲様(一般社団法人東京都マンション管理士会理事長)へのインタビューの概要をご紹介します。 ■ はじめに 親泊様は、2001年の第1回マンション管理士試験合格後すぐにマンション管理士として開業され、その後現在までに至るまでマン...
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2024年12月28日
不動産強制執行に要した弁護士費用の請求について(管理組合の取下げにより途中で終了した場合)
今回は以下のような質問について検討します。 不動産強制執行に要した費用の請求について(管理組合の取下げにより途中で終了した場合)に関連する追加質問です。 マンション管理組合(以下「X」といいます。)は、区分所有者(以下「Y」といいます。)に対する管理費等支払請求訴訟の判...
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2024年10月26日
不動産強制執行に要した費用の請求について(管理組合の取下げにより途中で終了した場合)
今回は以下のような質問について検討します。 マンション管理組合(以下「X」といいます。)としての質問です。 Xは、管理費等を滞納していた区分所有者(以下「Y」といいます。)に対し、管理費等の支払を求める訴訟を提起し判決を得ました。その判決に基づいてY所有の部屋(不動産)...
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2024年10月21日
一部共用部分(区分所有法3条後段)と関連する区分所有法11条、14条、16条及び20条の規定について
今回は以下のような疑問について検討します。 一部共用部分(区分所有法3条後段)【※1】と関連すると思われる区分所有法11条【※2】、14条【※3】、16条【※4】及び20条【※5】の関係がよく分かりません。 たとえば、以下の関係についてどのように考えればよいのでしょうか。...
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2024年7月8日
一部の区分所有者(一部共用部分の区分所有者)で定める規約と区分所有者全員で定める規約との関係
今回は以下のような質問について検討します。 一部共用部分の区分所有者で定めている規約を、区分所有者全員で定める規約をもって変更・廃止することはできますか。 ■ 結論 結論としては「できる」と考えます。ただし、後述するとおり注意が必要です。 ■ 検討 (1)一部共用部分の管理...
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2024年7月8日
一部共用部分(区分所有法3条)について~区分所有法11条、14条、16条及び20条との関係~
今回は以下のような質問について検討します。 一部共用部分(区分所有法3条【※1】)については、規約の定めをもって広げたり狭めたりすることができますか。 区分所有法11条2項【※2】は、前項の規定(11条1項の規定)は、「規約で別段の定めをすることを妨げない。」と定めてい...
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2024年7月1日
破産財団に関する訴訟(区分所有法59条に基づく競売請求訴訟)と破産手続開始決定との関係
今回は以下のようなご質問(「本件」といいます。)について検討します。 区分所有法59条に基づく競売請求訴訟の係属中に、被告の区分所有者(自然人)に対し破産手続開始決定がなされた場合、係属中の訴訟はどうなりますか。 ■ はじめに 1 原則論...
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2024年6月4日
漏水等の事故による損害賠償請求の損害額認定について
■ はじめに 漏水トラブル(土地工作物責任)による損害賠償(金銭賠償の原則)については、 2023年2月5日付の記事 で簡単に触れていますが、実際の事件(事故)における損害額の認定は容易ではありません。 損害が生じたこと自体に争いがない場合でも、その損害額に関しては、被...
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2024年5月11日