普通建物賃貸借契約における特約の効力について(総論)
【質問】 当社は、建物の賃貸人の立場にある会社です。 当社が使用している建物賃貸借契約書ひな形に以下のような特約の記載があります。このような特約は法的には有効でしょうか。 (1)「賃借人が2か月分の賃料の支払を遅滞した場合、賃貸人は、催告なし(無催告)で本契約を解除できる。」旨の特約 (2)「賃借人が本契約の終了と同時に、貸室を明け渡さないときは、賃借人は、本契約終了日の翌日から明渡し完了に至るまで賃料の倍額相当額の損害金を支払う。」旨の特約 (3)「賃借人が貸室を明け渡した後に同建物内に残置された物件については、賃借人は当該物件の所有権を放棄したものとみなし、賃貸人が任意にこれを処分することができる。」旨の特約 (4)「貸室の一部が滅失その他の事由により使用できなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃借人は、賃貸人に対し、使用できなくなった部分の割合に応じて賃料の減額に関する協議を求めることができる。なお、民法611条1項の規定は適用しないものとする。」旨の特約 (5)「賃借人が死亡した
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7月12日
建物賃貸借契約の転貸人の地位の移転について転借人の承諾は必要か
【質問】 当社は、建物所有者(X)から建物を賃貸し、その建物を転借人(Y)に転貸している会社です。 当社と建物所有者(X)との間で、転貸人を当社からZ社に変更したいという話が出ています。転貸人の地位を当社からZ社に移転する場合、転借人(Y)の承諾は必要でしょうか。 ちなみに、AIを利用して調べた結果、転借人(Y)の承諾は不要と回答してきました。また、ある法律事務所のサイトでは最判昭和51年6月21日を根拠に転借人の承諾は必須ではないというものもありました。 ■ はじめに(結論) ご質問の件(以下「本件」といいます。)において、当社は建物所有者ではありません。 当社が建物(不動産)をZに譲渡するものでもないため、民法605条の2【※1】が適用される場面でもなく、民法605条の3【※1】が適用される場面でもありません。 このようなケースにおいては、契約上の地位の移転の原則規定(民法539条の2【※2】)が適用されるとみるべきです。 すなわち、転貸人の地位を当社からZ社に移転する場合、転借人(Y)の承諾が必要です。 【※1】民法605条
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7月7日
事業用定期借地権等の期間延長の可否
■ はじめに 今回は、借地借家法23条に規定する「事業用定期借地権等」の延長について検討します。 借地借家法23条は次のとおり規定しています。本稿においては、1項に規定する借地権を「1項の事業用定期借地権」といい、2項に規定する借地権を「2項の事業用借地権」といい、それらをまとめて「事業用定期借地権 等 」ということにします。 (事業用定期借地権等) 第23条 専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を30年以上50年未満として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。 2 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を10年以上30年未満として借地権を設定する場合には、第3条から第8条まで、第13条及び第18条の規定は、適用しない。 3 前2項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなけ
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1月24日
1か月分の家賃滞納と建物賃貸借契約解除の効力について
今回は以下のような質問について検討します。 当社は、賃借人に対し、建物(本件建物)を賃貸しています。 ここ数年、賃借人は、常に家賃を1か月以上(平均すると2か月位)遅れて支払ってきていました。当社は賃借人に対し滞納を解消するよう毎月連絡していますが、賃借人は経済的困窮を...
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2024年9月30日
建物賃貸借契約の連帯保証人が死亡した場合の相続人の責任について
今回は、以下のような設例(以下「本件」といいます。)について検討します。 私(甲)は建物(住宅)の賃貸人です。2018年10月に、賃借人(Y)との間で建物賃貸借契約を締結しました。その賃貸借契約締結の際に、賃借人(Y)の債務について、連帯保証人(乙)と連帯保証契約を締結しま...
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2024年4月6日
借地借家:賃貸建物(住宅)内での居住者の自殺について
今回は、以下のような設例について検討します。 私(X)は、Yさんに対して居住用マンションの一室(「本件貸室」といいます。)を賃貸していました。 本件貸室にはYさんのほか、Yさんの妻であるAさんも居住していました。 ところが、Aさんは本件貸室内で自殺してしまい、Yさんも本...
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2024年2月24日
借地借家:建物(住宅)賃貸借契約の中途解約における違約金条項について
今回は、以下のような質問について検討します。 当社(X)は、建物(住宅)の賃貸人であり、個人(Y)に対し、建物を賃貸しています。当社はいわゆるマスターレッシーの立場にあり、サブリースしています。 当社とYとの契約について消費者契約法の適用があることは理解しています。...
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2024年1月14日
建物賃貸借:賃貸人の修繕権と賃借人の受忍義務
今回は、以下のようなご質問について検討します。 私は、1棟の建物(複数の住戸)を所有し各住戸を賃貸しています。 101号室の賃借人から、「上から漏水している」という連絡がありました。私や賃貸管理会社は、上階(201号室)の配管等に原因があるのではないかと考え、201号室の...
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2022年9月4日
建物賃貸借:定期建物賃貸借契約について
今回は、定期建物賃貸借契約を締結する際の注意点について検討します。 定期建物賃貸借は、平成12年3月1日施行の「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」(平成11年法律第153号)に基づく借地借家法38条改正によって導入された制度です。そのため、まずは借地借家法38...
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2022年6月5日
建物賃貸借:更新事務手数料の支払義務について
今回は以下のような質問について検討します。 当社(賃貸人)は、個人(賃借人)との間で居住用の普通建物賃貸借契約を締結しています。契約期間を2年間とし、契約を更新する場合には、合意更新又は法定更新のいずれの場合においても、更新料として賃料の1か月分及び更新事務手数料として賃料...
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2022年5月29日
土地賃貸借:定期借地権(借地借家法22条~24条)について
今回は、借地借家法22条〜24条【※1】の規定に基づく借地権(広義の定期借地権)について確認します。 ■ はじめに 定期借地権の制度は、1992年8月1日施行の借地借家法により創設されました。その後、借地借家法の一部を改正する法律(2008年1月1日施行)により現在の内容【...
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2022年5月15日
土地賃貸借:普通借地権の存続期間と借地上の建物の建替えについて
今回は、普通借地権(以下、単に「借地権」といいます。)を前提として【※1】、借地権の存続期間や借地上の建物の建替えについて検討します。 はじめに旧借地法下で設定された借地権に適用される規律を確認します。 次に、借地権の存続期間について、「旧借地法下で設定された借地権」と「現...
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2022年5月8日
建物賃貸借:承諾転貸借における原賃貸借契約終了による賃貸人から転借人に対する建物明渡請求について
賃貸人(X)と賃借人(Y)との契約が普通建物賃貸借契約であることを前提に、賃借人(=転貸人)が賃貸人の承諾【※1】を得た上で第三者(=転借人)(Z)に建物を転貸している場合、XY間の賃貸借契約終了をもって、賃貸人(X)は転借人(Z)に対し建物明渡しを求めることができるでしょ...
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2022年5月1日
建物賃貸借契約の連帯保証人について
今回は、令和2年4月の改正民法(以下、単に「民法」といいます。)施行後に建物を賃貸する貸主の立場から、個人と連帯保証契約を締結する場合の注意点について検討します。 なお、「保証契約は、書面でしなければ、その効力が生じない。」(民法446条2項)という点は、改正前後で変わりま...
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2021年11月28日