未納管理費等の一部弁済の充当について
私はマンション管理組合の理事長です。管理費等滞納者が未払い管理費等の一部を入金してきました。当該債務者は、この一部弁済金を、特定の元金に充当するよう指示してきました。管理組合はこれに従わなければなりませんか。 ■ 回答 具体的な事実関係によって変わってきます。まずは下記の勉強会資料をご確認ください。 EMG勉強会資料 マンション管理費等の一部弁済の充当pdf 本件においても、少なくとも一定の遅延損害金が発生しているはずです。そうだとすると、管理組合としては、まずはその遅延損害金に充当することができます。つまり、本件の債務者の指定に従う必要はないでしょう。 ただし、費用・利息(遅延損害金)に充当した後の債務(元金)充当に関しては債務者の指定に従う必要が出てきます。 なお、管理組合において、令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)第60条5項と同趣旨の規定がある場合には上記の説明がそのまま妥当しません(個別具体的判断が必要になります)ので、専門家に相談・依頼されたほうがよいでしょう。
@lawyer.hiramatsu
2 日前
間接強制の手続の流れについて
別稿の 直接強制、代替執行、間接強制について(概説) において、間接強制を概説しました。今回は、間接強制の手続の流れについて解説します。 ■ はじめに 訴訟において、原告が、被告に対し、一定の不作為を請求し(例えば、「被告は、●●●●してはならない。」という請求)、その請求を認容する判決(便宜上「本件判決」といいます。)が言い渡されている(判決に仮執行宣言が付されているか判決が確定している)にもかかわらず、その後も、被告(以下「債務者」といいます。)が不作為義務を履行しない場合、原告(以下「債権者」といいます。)としてはその判決を債務名義(民事執行法22条【※1】)とする強制執行について検討することになるでしょう。 その強制執行方法として間接強制(民事執行法172条【※2】)が考えられます。つまり、相手方(債務者)が判決で命じられた不作為義務を履行しないときに一定の金銭の支払を命じて債務者に心理的経済的圧力をかけて債務者の自発的な履行を促す方法を検討することになるでしょう。 ちなみに、民事執行法172条【※2】は、直接強制も代替執行もできな
@lawyer.hiramatsu
10月30日
共有物の分割請求について
今回は、以下のような質問について検討します。 民法256条1項本文には「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。」とあります【※1】。また、民法258条1項には、「共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分...
@lawyer.hiramatsu
9月28日
建物賃料債権差押えと当該建物の任意譲渡(建物所有者変更)との関係
今回は、以下のような設例について検討します。 設例 私たち管理組合(X)は、滞納区分所有者(A)に対する管理費等支払請求の判決(債務名義)に基づいて、Aが第三債務者(Z)に対し有する賃料債権の差押えをし、暫くは第三債務者(Z)から差押債権の取立てができていました。...
@lawyer.hiramatsu
9月21日
直接強制、代替執行、間接強制について(概説)
今回は、以下のような質問について検討します。 強制執行の方法として、「直接強制」、「代替執行」、「間接強制」があるといわれていますが、その違いがよく分かりません。簡単に教えてください。 ■ はじめに 民法414条1項本文【※1】は、「債務者が任意に債務の履行をしない...
@lawyer.hiramatsu
7月27日