事業用定期借地権等の期間延長の可否
■ はじめに 今回は、借地借家法23条に規定する「事業用定期借地権等」の延長について検討します。 借地借家法23条は次のとおり規定しています。本稿においては、1項に規定する借地権を「1項の事業用定期借地権」といい、2項に規定する借地権を「2項の事業用借地権」といい、それらをまとめて「事業用定期借地権 等 」ということにします。 (事業用定期借地権等) 第23条 専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を30年以上50年未満として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。 2 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を10年以上30年未満として借地権を設定する場合には、第3条から第8条まで、第13条及び第18条の規定は、適用しない。 3 前2項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなけ
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1月24日
専有部分が数人の共有に属する場合の区分所有者(組合員)の数(頭数)と議決権行使との関係
私は、管理組合の理事長です。将来問題となりそうな想定事例について教えてください。 例えば、101号室と102号室は、いずれもAさんとBさんの共有となっています。ただし、101号室の持分については、Aさんが3分の2、Bさんが3分の1であり、102号室の持分については、Aさんが3分の1、Bさんが3分の2となっています。 (質問1) 上記専有部分は、共有者の持分割合が異なっていますが、いずれもAさんとBさんが共有する専有部分であるため、区分所有者の数(頭数)は「1」としてカウントしてよいでしょうか。 (質問2) 令和8年4月施行の改正区分所有法40条は、「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。」と規定しています。 AさんとBさんは、上記規定を理由として、101号室の議決権行使者をAさん、102号室の議決権行使者をBさんとする旨を届け出て、二人で総会に出席し、某議案に対し、Aさんは反対、Bさんは賛成とする議決権を行使しました。 このような議決
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2025年12月29日
未納管理費等の一部弁済の充当について
私はマンション管理組合の理事長です。管理費等滞納者が未払い管理費等の一部を入金してきました。当該債務者は、この一部弁済金を、特定の元金に充当するよう指示してきました。管理組合はこれに従わなければなりませんか。 ■ 回答 具体的な事実関係によって変わってきます。まずは下記の勉強会資料をご確認ください。 EMG勉強会資料 マンション管理費等の一部弁済の充当pdf 本件においても、少なくとも一定の遅延損害金が発生しているはずです。そうだとすると、管理組合としては、まずはその遅延損害金に充当することができます。つまり、本件の債務者の指定に従う必要はないでしょう。 ただし、費用・利息(遅延損害金)に充当した後の債務(元金)充当に関しては債務者の指定に従う必要が出てきます。 なお、管理組合において、令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)第60条5項と同趣旨の規定がある場合には上記の説明がそのまま妥当しません(個別具体的判断が必要になります)ので、専門家に相談・依頼されたほうがよいでしょう。
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2025年11月30日
間接強制の手続の流れについて
別稿の 直接強制、代替執行、間接強制について(概説) において、間接強制を概説しました。今回は、間接強制の手続の流れについて解説します。 ■ はじめに 訴訟において、原告が、被告に対し、一定の不作為を請求し(例えば、「被告は、●●●●してはならない。」という請求)、その請求を認容する判決(便宜上「本件判決」といいます。)が言い渡されている(判決に仮執行宣言が付されているか判決が確定している)にもかかわらず、その後も、被告(以下「債務者」といいます。)が不作為義務を履行しない場合、原告(以下「債権者」といいます。)としてはその判決を債務名義(民事執行法22条【※1】)とする強制執行について検討することになるでしょう。 その強制執行方法として間接強制(民事執行法172条【※2】)が考えられます。つまり、相手方(債務者)が判決で命じられた不作為義務を履行しないときに一定の金銭の支払を命じて債務者に心理的経済的圧力をかけて債務者の自発的な履行を促す方法を検討することになるでしょう。 ちなみに、民事執行法172条【※2】は、直接強制も代替執行もできな
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2025年10月30日
共有物の分割請求について
今回は、以下のような質問について検討します。 民法256条1項本文には「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。」とあります【※1】。また、民法258条1項には、「共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分...
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2025年9月28日
建物賃料債権差押えと当該建物の任意譲渡(建物所有者変更)との関係
今回は、以下のような設例について検討します。 設例 私たち管理組合(X)は、滞納区分所有者(A)に対する管理費等支払請求の判決(債務名義)に基づいて、Aが第三債務者(Z)に対し有する賃料債権の差押えをし、暫くは第三債務者(Z)から差押債権の取立てができていました。...
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2025年9月21日
直接強制、代替執行、間接強制について(概説)
今回は、以下のような質問について検討します。 強制執行の方法として、「直接強制」、「代替執行」、「間接強制」があるといわれていますが、その違いがよく分かりません。簡単に教えてください。 ■ はじめに 民法414条1項本文【※1】は、「債務者が任意に債務の履行をしない...
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2025年7月27日
マンション管理費等滞納トラブル~区分所有法59条競売請求の確定判決に基づく不動産競売申立てについて~
マンション管理費等滞納トラブル~管理費等債権回収に向けた法的措置について~ では、管理費等回収を目的としたオーソドックスな法的措置について検討しました。 今回は、オーソドックスな法的措置では解決できない場合の措置としての形式競売手続(区分所有法59条競売請求の確定判決に基...
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2025年6月21日
マンション管理費等滞納トラブル~管理費等債権回収に向けた法的措置について~
前回の マンション管理費等滞納トラブル~管理組合としての初動(初期対応)について~ では、相手方特定の問題や相手方に対する請求内容の問題を主に検討しました。 今回は、相手方に対する督促(支払催告)によっても相手方から支払がない場合における法的措置について検討します。...
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2025年6月21日
マンション管理費等滞納トラブル~管理組合としての初動(初期対応)について~
今回は、以下のような質問(本件)について検討します。 私はXマンション管理組合の理事長です。区分所有者(Yさん)は、管理費等を6か月滞納しています。 管理会社から次のように言われています。 「当社と管理組合との管理委託契約上、当社は、Yさんの最初の支払期限から起算して...
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2025年6月21日
継続的契約(別荘地の温泉供給契約)の更新をめぐるトラブル
今回は、下記設例(東京地判平成12・11・8の事案をもとに筆者がアレンジした設例)について検討します。 設例 当社(X)は、別荘地の土地所有者(Y)との間で、温泉供給契約(本件契約)を締結し温泉を供給してきました。 本件契約には以下のような規定があります(本件更新条項...
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2025年6月1日
理事長等に対するひぼう中傷を繰り返す区分所有者への対応
今回は以下のような質問について検討します。 私(X)は、1棟の建物(マンション)の管理組合(非法人)の理事長です。 マンションの区分所有者(Y)が、私のことをひぼう中傷する文書を、私以外の区分所有者に配布する行為を繰り返しています。ある文書には、私が管理組合のお金を特定...
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2025年4月19日
区分所有法57条の規定とマンション標準管理規約(団地型)77条の規定との関係
今回は以下のような質問について検討します。 私(X)は、2棟の建物(A棟とB棟)の区分所有者全員によって組織される団地管理組合(非法人)の理事長です。 当団地管理組合の管理規約は、マンション標準管理規約(団地型)(令和6年6月7日改正版)と同じような内容になっています。...
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2025年4月14日
2021年民法(物権法)改正(2023年4月1日施行)後の隣地使用権(民法209条)について
今回は以下のような質問について検討します。 私(X)が所有する土地の境界付近に私所有の塀が建っていますが、その塀が老朽化しているため改修工事を実施する必要があります。ただし、その改修工事のためには隣地に立ち入らざるを得ません。...
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2025年3月29日
建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に関する不法行為責任
今回は以下のような質問について検討します。 当社(X)は、建築後3年位経過している1棟の建物を、前所有者(会社)との売買により取得しました。売買時の建物は築3年位でしたが、その後3年位(つまり建築後6年位)経って、外壁タイルに浮きや剥離が発生しました。本件建物は、前所有者...
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2025年2月28日
インタビューシリーズ:職業としてのマンション管理士
今回は、2024年12月に実施した親泊哲様(一般社団法人東京都マンション管理士会理事長)へのインタビューの概要をご紹介します。 ■ はじめに 親泊様は、2001年の第1回マンション管理士試験合格後すぐにマンション管理士として開業され、その後現在までに至るまでマン...
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2024年12月28日
不動産競売の買受人から前所有者に対する引渡命令・引渡執行について
今回は以下のような質問について検討します。 私(X)は、不動産競売手続によって不動産(建物)を買い受けました。 売却代金も支払い、不動産の所有権も移転しましたが、前所有者(Y)は私に不動産を引き渡しません。前所有者(Y)からの不動産引渡しを実現するために、私はどのような...
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2024年11月30日
不動産強制執行に要した弁護士費用の請求について(管理組合の取下げにより途中で終了した場合)
今回は以下のような質問について検討します。 不動産強制執行に要した費用の請求について(管理組合の取下げにより途中で終了した場合)に関連する追加質問です。 マンション管理組合(以下「X」といいます。)は、区分所有者(以下「Y」といいます。)に対する管理費等支払請求訴訟の判...
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2024年10月26日
不動産強制執行に要した費用の請求について(管理組合の取下げにより途中で終了した場合)
今回は以下のような質問について検討します。 マンション管理組合(以下「X」といいます。)としての質問です。 Xは、管理費等を滞納していた区分所有者(以下「Y」といいます。)に対し、管理費等の支払を求める訴訟を提起し判決を得ました。その判決に基づいてY所有の部屋(不動産)...
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2024年10月21日
1か月分の家賃滞納と建物賃貸借契約解除の効力について
今回は以下のような質問について検討します。 当社は、賃借人に対し、建物(本件建物)を賃貸しています。 ここ数年、賃借人は、常に家賃を1か月以上(平均すると2か月位)遅れて支払ってきていました。当社は賃借人に対し滞納を解消するよう毎月連絡していますが、賃借人は経済的困窮を...
@lawyer.hiramatsu
2024年9月30日