別荘地における土地所有者に対する区分所有法の規定の適用について
【質問】 団地【※1】と言ってもよいような別荘地内の土地(別荘地を購入してから現在まで更地のまま)の所有者に対し、区分所有法の規律を及ぼすことは可能でしょうか。具体的には、区分所有法65条【※2】でいう団体で定める規約を根拠として、その土地所有者に対し、管理費等の支払を求めることは可能でしょうか。 【※1】団地とは ご質問者が言う「団地」の意義は明確ではありませんが、一般に、「団地」とは、「客観的に一区画をなしていると認められる土地の区域を指称する」ともいわれています。ただし、これも明確な概念とはいえません(『建物区分所有法の改正』濱﨑恭生著(法曹会、1989年)418頁参照)。 そこで、本稿においては(ご質問者の用法とは異なるかもしれませんが)、数棟の建物の所有者が土地または附属施設を共有(またはこれらに関する権利を準共有)することによって関係づけられているときのその区域を「団地」ということにします。 【※2】区分所有法65条 (団地建物所有者の団体) 第65条 一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又は附属施設(これらに関す
@lawyer.hiramatsu
5月5日
管理不全専有部分管理命令について
私は、管理組合の理事長です。令和8年4月1日施行の改正区分所有法との関係で教えてください。 ある区分所有者(以下「Y」といいます。)が専用使用しているバルコニー内に大量のゴミを置いており、上階や隣接する部屋の居住者が悪臭等で困っています。ただし、Yさんは「ゴミではない」と主張し続けており、全く協力してくれません。 管理組合は、改正区分所有法に基づく「管理不全専有部分管理人」(以下「管理人」といいます。)の選任を申し立て、選任された管理人によりゴミは処分してもらえると考えていますが、そのような考えでよいですか。 ■ はじめに(問題の所在の整理) 管理不全専有部分管理人に関しては、令和8年4月施行の改正区分所有法46条の8~12により下記【※1】のとおり規定されています。 ご質問のケース(以下「本件」といいます。)においては、Yさんは管理人による室内への立入りやバルコニーへの立入り自体を拒むものと思われます。 そのような場合に、管理人は、Yさんの意思に反して室内やバルコニーに立ち入り、物品(改正区分所有法46条の8第2項参照)を処分すること
@lawyer.hiramatsu
2月15日
共有物の分割請求について
今回は、以下のような質問について検討します。 民法256条1項本文には「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。」とあります【※1】。また、民法258条1項には、「共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分...
@lawyer.hiramatsu
2025年9月28日
継続的契約(別荘地の温泉供給契約)の更新をめぐるトラブル
今回は、下記設例(東京地判平成12・11・8の事案をもとに筆者がアレンジした設例)について検討します。 設例 当社(X)は、別荘地の土地所有者(Y)との間で、温泉供給契約(本件契約)を締結し温泉を供給してきました。 本件契約には以下のような規定があります(本件更新条項...
@lawyer.hiramatsu
2025年6月1日
2021年民法(物権法)改正(2023年4月1日施行)後の隣地使用権(民法209条)について
今回は以下のような質問について検討します。 私(X)が所有する土地の境界付近に私所有の塀が建っていますが、その塀が老朽化しているため改修工事を実施する必要があります。ただし、その改修工事のためには隣地に立ち入らざるを得ません。...
@lawyer.hiramatsu
2025年3月29日
建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に関する不法行為責任
今回は以下のような質問について検討します。 当社(X)は、建築後3年位経過している1棟の建物を、前所有者(会社)との売買により取得しました。売買時の建物は築3年位でしたが、その後3年位(つまり建築後6年位)経って、外壁タイルに浮きや剥離が発生しました。本件建物は、前所有者...
@lawyer.hiramatsu
2025年2月28日
隣地建物所有者に対する目隠し設置請求(民法235条)について
今回は以下のような質問について検討します。 私(X)が居住する建物の宅地の隣に賃貸マンションが建築されました。そのマンションの窓やベランダから私の家の中を見られる気がします。私は、そのマンションの所有者(Y)に対し、目隠し等の設置を請求することができますか。 ■ はじめに...
@lawyer.hiramatsu
2024年9月8日
建物賃貸借契約の連帯保証人が死亡した場合の相続人の責任について
今回は、以下のような設例(以下「本件」といいます。)について検討します。 私(甲)は建物(住宅)の賃貸人です。2018年10月に、賃借人(Y)との間で建物賃貸借契約を締結しました。その賃貸借契約締結の際に、賃借人(Y)の債務について、連帯保証人(乙)と連帯保証契約を締結しま...
@lawyer.hiramatsu
2024年4月6日
マンション管理(区分所有法):共用部分である旨の登記のない規約共用部分について
2024年2月18日付けの記事においては、敷地権である旨の登記のない規約敷地について検討しました。 今回は、共用部分である旨の登記のない規約共用部分について、以下のような設例をもとに検討します。 私(X)は、マンションの一室(「本件建物」といいます。)を不動産競売による売却...
@lawyer.hiramatsu
2024年3月2日
マンション管理(区分所有法):敷地権である旨の登記のない規約敷地について
今回は、以下のような設例について検討します。 私(X)は、マンションの一室(「本件建物」といいます。)をAさんから購入し、所有権移転登記も完了しました。その際、マンションの敷地については全て敷地権の登記がなされていると思っていました。...
@lawyer.hiramatsu
2024年2月18日
共有不動産:共有者の中に所在等不明共有者がいる場合の不動産全体の譲渡について(令和5年4月施行の改正民法)
前回のご質問に関連した以下のようなご相談を検討します。 私(A)は、土地の共有持分(3分の1)を有しています。当該土地(本件土地)の共有者は私(A)とB及びCの合計3名(それぞれ持分3分の1)です。共有者のうち1名(C)は所在不明です。私(A)とBは色々と揉めていましたが、...
@lawyer.hiramatsu
2022年12月11日
共有不動産:所在等不明共有者の持分取得(令和5年4月施行の改正民法)
今回は、以下のようなご質問について検討します。 私(A)は、土地の共有持分(3分の1)を有しています。当該土地(本件土地)の共有者は私(A)とB及びCの合計3名(それぞれ持分3分の1)です。共有者のうち1名(C)は所在不明です。私(A)とBとの仲は悪く、様々なことで対立して...
@lawyer.hiramatsu
2022年12月4日
所有者不明建物管理命令・管理不全建物管理命令と区分所有建物との関係
前回は、令和5年4月1日に施行される「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)により改正される民法の条文を確認しました。 この改正により所有者不明建物管理命令(民法264条の8)や管理不全建物管理命令(民法264条の14)の規定が創設されました。...
@lawyer.hiramatsu
2022年1月16日
民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)の施行期日と改正後条文について
「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)が令和3年4月28日に公布され、同法附則第1条本文及び第2号の規定に基づく政令(「民法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」)が令和3年12月27日に公布されました。...
@lawyer.hiramatsu
2022年1月9日
建物賃貸借契約の連帯保証人について
今回は、令和2年4月の改正民法(以下、単に「民法」といいます。)施行後に建物を賃貸する貸主の立場から、個人と連帯保証契約を締結する場合の注意点について検討します。 なお、「保証契約は、書面でしなければ、その効力が生じない。」(民法446条2項)という点は、改正前後で変わりま...
@lawyer.hiramatsu
2021年11月28日