top of page

所有者不明建物管理命令・管理不全建物管理命令と区分所有建物との関係

  • @lawyer.hiramatsu
  • 2022年1月16日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年12月13日

 前回は、令和5年4月1日に施行される「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)により改正される民法の条文を確認しました。

 この改正により所有者不明建物管理命令(民法264条の8)や管理不全建物管理命令(民法264条の14)の規定が創設されました。


 ただし、「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)附則21条は下記のとおり定めています。


 民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)附則21条

(建物の区分所有等に関する法律の一部改正)
第二十一条 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。
 第六条に次の一項を加える。
4 民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百六十四条の八及び第二百六十四条の十四の規定は、専有部分及び共用部分には適用しない。
 第七条第三項中「(明治二十九法律第八十九号)」を削る。

 つまり、所有者不明建物管理命令(民法264条の8)や管理不全建物管理命令(民法264条の14)の規定は区分所有建物の専有部分及び共用部分には適用されません。

 一応、令和5年4月1日改正後区分所有法6条及び7条についても確認しておきましょう。


 令和5年4月1日改正後区分所有法6条及び7条

(区分所有者の権利義務等)
第六条 区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
2 区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。
3 第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。
4 民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百六十四条の八及び第二百六十四条の十四の規定は、専有部分及び共用部分には適用しない。

(先取特権)
第七条 区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。
2 前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
3 民法第三百十九条の規定は、第一項の先取特権に準用する。

 

 

 



 
 
 

最新記事

すべて表示
区分所有法7条の先取特権に基づく動産競売について

【質問】  私は、マンション管理組合の理事長です。当マンションに管理費等を滞納している区分所有者(兼居住者)がいます。当該滞納者が所有する建物(不動産)について先取特権【※1】に基づき不動産競売を実行しようと考えています。そのため、まずは、先取特権に基づく動産競売の申立てをする予定ですが、この動産競売申立ての手続について教えてください。  【※1】区分所有法7条 (先取特権) 第7条 区分所有者は

 
 
 
普通建物賃貸借契約における特約の効力について(総論)

【質問】  当社は、建物の賃貸人の立場にある会社です。  当社が使用している建物賃貸借契約書ひな形に以下のような特約の記載があります。このような特約は法的には有効でしょうか。 (1)「賃借人が2か月分の賃料の支払を遅滞した場合、賃貸人は、催告なし(無催告)で本契約を解除できる。」旨の特約 (2)「賃借人が本契約の終了と同時に、貸室を明け渡さないときは、賃借人は、本契約終了日の翌日から明渡し完了に至

 
 
 
建物賃貸借契約の転貸人の地位の移転について転借人の承諾は必要か 

【質問】  当社は、建物所有者(X)から建物を賃貸し、その建物を転借人(Y)に転貸している会社です。  当社と建物所有者(X)との間で、転貸人を当社からZ社に変更したいという話が出ています。転貸人の地位を当社からZ社に移転する場合、転借人(Y)の承諾は必要でしょうか。  ちなみに、AIを利用して調べた結果、転借人(Y)の承諾は不要と回答してきました。また、ある法律事務所のサイトでは最判昭和51年6

 
 
 

コメント


bottom of page