top of page

団地に適用される区分所有法66条(建物の区分所有に関する規定の準用)について

@lawyer.hiramatsu
11 分前
読了時間: 30分

 【質問】

 現在の区分所有法(令和7年法律第47号による改正後のもの。令和8年4月1日施行)を前提に、団地に適用される66条の規定について教えてください。
 66条により準用される条文は、読み替えると結局どのようになるのでしょうか。

■ はじめに

 

 建物の区分所有等に関する法律(以下単に「法」といいます。)の第2章は「団地」について定めています。第2章の中の法65条は「団地建物所有者の団体」について規定しています【※1】。法65条は、団地建物所有者の団体が成立する要件を規定し、団体が成立する場合には、「集会」を開き、「規約」を定め、「管理者」を置くことができるとしています。


 【※1】法65条

(団地建物所有者の団体)
第65条 一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(以下「団地建物所有者」という。)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。

 上記の赤文字部分が、団体の成立要件です(当然に団体が構成されることになり、場合によっては重層的に団体が構成されることもあります)。

 法65条により構成される団体(以下「65条団体」といいます。)が当然に管理できるのは、団地建物所有者の共有に属する団地内の土地又は附属施設ですが、法68条(規約の設定の特例)【※2】の規定に基づき規約を設定することによって、団地内の一部の建物の所有者だけが共有する土地・附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く。)(同条1項一号参照)や、団地内の専有部分のある建物(同条1項二号参照)を団地建物所有者全員の管理対象物とすることも可能です(なお、規約の設定には、団地の集会の決議(法66条で準用する法31条1項)に加え、一号の土地・附属施設についてはその共有者の4分の3以上で持分の4分の3以上を有する者の同意が、二号の建物については各棟の集会における区分所有者及び議決権の各4分の3以上の決議が必要です)。

 

 【※2】法68条

(規約の設定の特例)
第68条 次の物につき第66条において準用する第30条第1項の規約を定めるには、第一号に掲げる土地又は附属施設にあつては当該土地の全部又は附属施設の全部につきそれぞれ共有者の4分の3以上の者であつてその持分の4分の3以上を有するものの同意、第二号に掲げる建物にあつてはその全部につきそれぞれ第34条の規定による集会における出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項(第一号を除く。)において同じ。)及びその議決権の各4分の3以上の多数による決議(区分所有者の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席してされたものに限る。)があることを要する。
 一 一団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)が当該団地内の一部の建物の所有者(専有部分のある建物にあつては、区分所有者)の共有に属する場合における当該土地又は附属施設(専有部分のある建物以外の建物の所有者のみの共有に属するものを除く。)
 二 当該団地内の専有部分のある建物
2 第31条第2項の規定は、前項第二号に掲げる建物の一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての同項の集会の決議に準用する。

■ 法66条について

 

 65条団体による管理を行うに当たっては、法66条の規定に従うことになります【※3】。

 法66条の前段は、第1章(建物の区分所有)の規定の中で、65条団体に準用される規定を掲げ、後段は、「管理組合法人」を「団地管理組合法人」と読み替える旨を定めるほか、「表」を掲げて(この「表」は割愛します。)、どの規定の、どの字句を、どのように読み替えるのか具体的に示しています。

 

 【※3】法66条(注:表は割愛)

(建物の区分所有に関する規定の準用)
第66条 第7条、第8条、第17条から第19条まで並びに前章第四節(第27条を除く。)、第五節(第30条第2項、第31条第2項及び第32条を除く。)及び第八節の規定は、前条の場合について準用する。この場合において、これらの規定(第55条第1項第一号を除く。)中「管理組合法人」とあるのは、「団地管理組合法人」と読み替えるほか、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。

 

■ 読替え後の条文

 

 法66条による準用規定(必要に応じ読み替えた後の条文)を整理すると以下のようになります(注:条文の見出しは原文のままとしています)。


(先取特権)
第7条 団地建物所有者(第65条に規定する団地建物所有者をいう。以下同じ。)は、同条に規定する場合における当該土地若しくは附属施設(以下「土地等」という。)につき他の団地建物所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の団地建物所有者に対して有する債権について、債務者の土地等に関する権利、建物又は区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は団地管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき団地建物所有者に対して有する債権についても、同様とする。
2 前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
3 民法第319条の規定は、第1項の先取特権に準用する。

(特定承継人の責任)
第8条 前条第1項に規定する債権は、債務者たる団地建物所有者の特定承継人に対しても行うことができる。

(共用部分の変更)
第17条 土地等並びに第68条の規定による規約により管理すべきものと定められた同条第1項第一号に掲げる土地及び附属施設並びに同項第二号に掲げる建物の共用部分(以下「団地管理対象物」という。)の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。第5項において同じ。)は、集会において、団地建物所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項及び第3項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した団地建物所有者及びその議決権の各4分の3(これを下回る割合(2分の1を超える割合に限る。)を規約で定めた場合にあつては、その割合)以上の多数による決議で決する。
2 前項の場合において、団地管理対象物の変更が建物又は専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その建物又は専有部分の所有者の承諾を得なければならない。
3 第1項の決議により団地管理対象物の変更をする場合において、規約に特別の定めがあるときは、当該団地管理対象物の変更に伴い必要となる建物若しくは専有部分の保存行為又は建物若しくは専有部分の性質を変えない範囲内においてその利用若しくは改良を目的とする行為(次項及び次条第4項において「建物又は専有部分の保存行為等」という。)は、集会において、団地建物所有者の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した団地建物所有者及びその議決権の各4分の3(これを下回る割合(2分の1を超える割合に限る。)を規約で定めた場合にあつては、その割合)以上の多数による決議で決することができる。
4 前項の決議をする場合において、建物又は専有部分の保存行為等の態様又は費用の分担に関する事項を定めるときは、決議の対象となる建物又は専有部分の団地建物所有者の利用状況、当該建物又は専有部分の保存行為等について団地建物所有者が支払つた対価その他の事情を考慮して、団地建物所有者間の利害の衡平が図られるようにしなければならない。
5 団地管理対象物の設置若しくは保存に瑕疵があることによつて他人の権利若しくは法律上保護される利益が侵害され、若しくは侵害されるおそれがある場合におけるその瑕疵の除去に関して必要となる団地管理対象物の変更又は高齢者、障害者等(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)第2条第一号に規定する高齢者、障害者等をいう。)の移動若しくは施設の利用に係る身体の負担を軽減することにより、その移動上若しくは施設の利用上の利便性及び安全性を向上させるために必要となる団地管理対象物の変更についての第1項及び第3項の規定の適用については、これらの規定中「4分の3」とあるのは、「3分の2」とする。

(共用部分の管理)
第18条 団地管理対象物の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
3 前条第2項の規定は、第1項本文の場合に準用する。
4 第1項本文の決議により団地管理対象物の管理をする場合において、規約に特別の定めがあるときは、当該団地管理対象物の管理に伴い必要となる建物又は専有部分の保存行為等は、集会の決議で決することができる。
5 前条第4項の規定は、前項の決議について準用する。
6 団地管理対象物につき損害保険契約をすることは、団地管理対象物の管理に関する事項とみなす。

(共用部分の負担及び利益収取)
第19条 各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、団地管理対象物の負担に任じ、団地管理対象物から生ずる利益を収取する。

(選任及び解任)
第25条 団地建物所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、又は解任することができる。
2 管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各団地建物所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。

(権限)
第26条 管理者は、団地管理対象物を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。
2 管理者は、その職務(第18条第6項(第21条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金並びに団地管理対象物について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金(以下この条及び第47条において「保険金等」という。)の請求及び受領を含む。第4項において同じ。)に関し、団地建物所有者(保険金等の請求及び受領にあつては、保険金等の請求権を有する者(団地建物所有者又は団地建物所有者であつた者(書面又は電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)による別段の意思表示をした団地建物所有者であつた者を除く。)に限る。以下この条及び第47条において同じ。)。同項において同じ。)を代理する。
3 管理者の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
4 管理者は、規約又は集会の決議により、その職務に関し、団地建物所有者のために、原告又は被告となることができる。
5 管理者は、次の各号に掲げるときは、遅滞なく、それぞれ当該各号に定める者にその旨を通知しなければならない。この場合における団地建物所有者に対する通知については、第35条第2項から第4項までの規定を準用する。
 一 前項の規約によりその職務に関し原告又は被告となつたとき 団地建物所有者
 二 前項の規約により保険金等の請求及び受領に関し原告又は被告となつたとき 保険金等の請求権を有する者
 三 前項の集会の決議により保険金等の請求及び受領に関し原告又は被告となつたとき 保険金等の請求権を有する者(団地建物所有者を除く。)

(委任の規定の準用)
第28条 この法律及び規約に定めるもののほか、管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う。

(区分所有者の責任等)
第29条 管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき団地建物所有者がその責めに任ずべき割合は、土地等(これらに関する権利を含む。)の持分の価格の割合と同一の割合とする。ただし、規約で団地管理対象物の管理に要する経費につき負担の割合が定められているときは、その割合による。
2 前項の行為により第三者が団地建物所有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行うことができる。

(規約事項)
第30条 土地等又は第68条第1項各号に掲げる物の管理又は使用に関する団地建物所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。
3 前2項に規定する規約は、建物若しくは専有部分若しくは土地等(土地等に関する権利を含む。)又は第68条の規定による規約により管理すべきものと定められた同条第1項第一号に掲げる土地若しくは附属施設(これらに関する権利を含む。)若しくは同項第二号に掲げる建物の共用部分につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに団地建物所有者が支払つた対価その他の事情を総合的に考慮して、団地建物所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない。
4 第1項及び第2項の場合には、団地建物所有者以外の者の権利を害することができない。
5 規約は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により、これを作成しなければならない。

(規約の設定、変更及び廃止)
第31条 規約の設定、変更又は廃止は、集会において、団地建物所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項前段において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した団地建物所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の団地建物所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

(規約の保管及び閲覧)
第33条 規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している団地建物所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。
2 前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。
3 規約が電磁的記録で作成されているときは、第1項の規定により規約を保管する者は、前項の規定による当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧に代えて、法務省令で定めるところにより、同項の請求をした利害関係人の承諾を得て、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該規約を保管する者は、同項の規定による閲覧をさせたものとみなす。
4 規約の保管場所は、団地内の見やすい場所に掲示しなければならない。

(集会の招集)
第34条 集会は、管理者が招集する。
2 管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない。
3 団地建物所有者(議決権を有しないものを除く。第5項において同じ。)の5分の1以上の者であつて議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。
4 前項の規定による請求がされた場合において、2週間以内にその請求の日から4週間以内の日を会日とする集会の招集の通知が発せられなかつたときは、その請求をした団地建物所有者は、集会を招集することができる。
5 管理者がないときは、団地建物所有者の5分の1以上の者であつて議決権の5分の1以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。

(招集の通知)
第35条 集会の招集の通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各団地建物所有者(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。
2 建物又は専有部分が数人の共有に属するときは、前項の通知は、第40条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。
3 第1項の通知は、団地建物所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは団地建物所有者の所有する建物又は専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。
4 団地内に住所を有する団地建物所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない団地建物所有者に対する第1項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、団地内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。

(招集手続の省略)
第36条 集会は、団地建物所有者(議決権を有しないものを除く。)全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。

(決議事項の制限)
第37条 集会においては、第35条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。
2 前項の規定は、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。
3 前2項の規定は、前条の規定による集会には適用しない。

(議決権)
第38条 各団地建物所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、土地等(これらに関する権利を含む。)の持分の価格の割合による。

(所在等不明区分所有者の除外)
第38条の2 裁判所は、団地建物所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、当該団地建物所有者(次項において「所在等不明団地建物所有者」という。)以外の団地建物所有者(以下この項及び第3項において「一般団地建物所有者」という。)又は管理者の請求により、一般団地建物所有者による集会の決議をすることができる旨の裁判をすることができる。
2 前項の裁判により所在等不明団地建物所有者であるとされた者は、前条の規定にかかわらず、集会における議決権(当該裁判に係る土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。以下この項において同じ。)の共有者である団地建物所有者の所有に係る団地内の建物が滅失したときは、当該土地又は附属施設について開かれる集会における議決権)を有しない。
3 一般団地建物所有者の請求により第1項の裁判があつたときは、当該一般団地建物所有者は、遅滞なく、管理者にその旨を通知しなければならない。ただし、管理者がないときは、その旨を団地内の見やすい場所に掲示しなければならない。

(議事)
第39条 集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した団地建物所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する。
2 議決権は、書面又は代理人によつても行使することができる。この場合において、書面又は代理人によつて議決権を行使した団地建物所有者の数は出席した団地建物所有者の数に、当該議決権の数は出席した団地建物所有者の議決権の数に、それぞれ算入する。
3 団地建物所有者は、規約又は集会の決議により、前項の規定による書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によつて議決権を行使することができる。この場合においては、電磁的方法による議決権の行使を書面による議決権の行使とみなして、同項後段の規定を適用する。

(議決権行使者の指定)
第40条 建物又は専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。

(議長)
第41条 集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した団地建物所有者の一人が議長となる。

(議事録)
第42条 集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。
2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。
3 前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した団地建物所有者の二人がこれに署名しなければならない。
4 第2項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び集会に出席した団地建物所有者の二人が行う法務省令で定める署名に代わる措置を執らなければならない。
5 第33条の規定は、議事録について準用する。

(事務の報告)
第43条 管理者は、集会において、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

(占有者の意見陳述権)
第44条 団地建物所有者の承諾を得て建物又は専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。
2 前項に規定する場合には、集会を招集する者は、第35条の規定により招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所、会議の目的たる事項及び議案の要領を団地内の見やすい場所に掲示しなければならない。

(書面又は電磁的方法による決議)
第45条 この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、団地建物所有者(議決権を有しないものを除く。次項において同じ。)全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る団地建物所有者の承諾については、法務省令で定めるところによらなければならない。
2 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、団地建物所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす。
3 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。
4 第33条の規定は、書面又は電磁的方法による決議に係る書面並びに第1項及び第2項の電磁的方法が行われる場合に当該電磁的方法により作成される電磁的記録について準用する。
5 集会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。

(規約及び集会の決議の効力)
第46条 規約及び集会の決議は、団地建物所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる。
2 建物又は専有部分を占有する者で団地建物所有者でないものは、土地等又は第68条第1項各号に掲げる物の使用方法につき、団地建物所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。

(成立等)
第47条 第65条に規定する団体は、集会において、団地建物所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した団地建物所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて法人となる。
2 前項の規定による法人は、団地管理組合法人と称する。
3 この法律に規定するもののほか、団地管理組合法人の登記に関して必要な事項は、政令で定める。
4 団地管理組合法人に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ、第三者に対抗することができない。
5 団地管理組合法人の成立前の集会の決議、規約及び管理者の職務の範囲内の行為は、団地管理組合法人につき効力を生ずる。
6 団地管理組合法人は、その事務(保険金等の請求及び受領を含む。第8項において同じ。)に関し、団地建物所有者(保険金等の請求及び受領にあつては、保険金等の請求権を有する者。同項において同じ。)を代理する。
7 団地管理組合法人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
8 団地管理組合法人は、規約又は集会の決議により、その事務に関し、団地建物所有者のために、原告又は被告となることができる。
9 団地管理組合法人は、次の各号に掲げるときは、遅滞なく、それぞれ当該各号に定める者にその旨を通知しなければならない。この場合における団地建物所有者に対する通知については、第35条第2項から第4項までの規定を準用する。
 一 前項の規約によりその事務に関し原告又は被告となつたとき 団地建物所有者
 二 前項の規約により保険金等の請求及び受領に関し原告又は被告となつたとき 保険金等の請求権を有する者
 三 前項の集会の決議により保険金等の請求及び受領に関し原告又は被告となつたとき 保険金等の請求権を有する者(団地建物所有者を除く。)
10 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第4条及び第78条の規定は団地管理組合法人に、破産法(平成16年法律第75号)第16条第2項の規定は存立中の団地管理組合法人に準用する。
11 第四節及び第33条第1項ただし書(第42条第5項及び第45条第4項において準用する場合を含む。)の規定は、団地管理組合法人には、適用しない。
12 団地管理組合法人が存立する場合における第33条第1項本文(第42条第5項及び第45条第4項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第34条第1項から第3項まで及び第5項、第35条第3項、第38条の2第1項及び第3項、第41条並びに第43条の規定の適用については、これらの規定(第33条第1項本文及び第38条の2第1項を除く。)中「管理者」とあるのは「理事」と、第33条第1項本文中「管理者が」とあるのは「理事が団地管理組合法人の事務所において」と、第38条の2第1項中「管理者」とあるのは「団地管理組合法人」とする。
13 団地管理組合法人は、法人税法(昭和40年法律第34号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第2条第六号に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第37条の規定を適用する場合には同条第4項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(団地管理組合法人並びに」と、同法第66条の規定を適用する場合には同条第1項中「普通法人」とあるのは「普通法人(団地管理組合法人を含む。)」と、同条第2項中「除く」とあるのは「除くものとし、団地管理組合法人を含む」と、同条第3項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(団地管理組合法人及び」とする。
14 団地管理組合法人は、消費税法(昭和63年法律第108号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法別表第三に掲げる法人とみなす。

(名称)
第48条 団地管理組合法人は、その名称中に団地管理組合法人という文字を用いなければならない。
2 団地管理組合法人でないものは、その名称中に団地管理組合法人という文字を用いてはならない。

(財産目録及び区分所有者名簿)
第48条の2 団地管理組合法人は、設立の時及び毎年1月から3月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。ただし、特に事業年度を設けるものは、設立の時及び毎事業年度の終了の時に財産目録を作成しなければならない。
2 団地管理組合法人は、団地建物所有者名簿を備え置き、団地建物所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。

(理事)
第49条 団地管理組合法人には、理事を置かなければならない。
2 理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、団地管理組合法人の事務は、理事の過半数で決する。
3 理事は、団地管理組合法人を代表する。
4 理事が数人あるときは、各自団地管理組合法人を代表する。
5 前項の規定は、規約若しくは集会の決議によつて、団地管理組合法人を代表すべき理事を定め、若しくは数人の理事が共同して団地管理組合法人を代表すべきことを定め、又は規約の定めに基づき理事の互選によつて団地管理組合法人を代表すべき理事を定めることを妨げない。
6 理事の任期は、2年とする。ただし、規約で3年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。
7 理事が欠けた場合又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した理事は、新たに選任された理事(第49条の4第1項の仮理事を含む。)が就任するまで、なおその職務を行う。
8 第25条の規定は、理事に準用する。

(理事の代理権)
第49条の2 理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

(理事の代理行為の委任)
第49条の3 理事は、規約又は集会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。

(仮理事)
第49条の4 理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、仮理事を選任しなければならない。
2 仮理事の選任に関する事件は、団地管理組合法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

(監事)
第50条 団地管理組合法人には、監事を置かなければならない。
2 監事は、理事又は団地管理組合法人の使用人と兼ねてはならない。
3 監事の職務は、次のとおりとする。
 一 団地管理組合法人の財産の状況を監査すること。
 二 理事の業務の執行の状況を監査すること。
 三 財産の状況又は業務の執行について、法令若しくは規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、集会に報告をすること。
 四 前号の報告をするため必要があるときは、集会を招集すること。
4 第25条、第49条第6項及び第7項並びに前条の規定は、監事に準用する。

(監事の代表権)
第51条 団地管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が団地管理組合法人を代表する。

(事務の執行)
第52条 団地管理組合法人の事務は、この法律に定めるもののほか、すべて集会の決議によつて行う。ただし、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び第57条第2項に規定する事項を除いて、規約で、理事その他の役員が決するものとすることができる。
2 前項の規定にかかわらず、保存行為は、理事が決することができる。

(区分所有権等の取得)
第52条の2 団地管理組合法人は、団地管理対象物の管理を行うために必要な場合には、集会において、団地建物所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した団地建物所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による決議をすることによつて、その団地内の建物若しくはその区分所有権又はその団地内の土地等と一体として管理若しくは使用をすべき土地を取得することができる。
2 団地管理組合法人は、前項の規定により建物又は区分所有権を取得した場合であつても、第38条の規定にかかわらず、当該団地管理組合法人の集会における議決権を有しない。

(区分所有者の責任)
第53条 団地管理組合法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、団地建物所有者は、土地等(これらに関する権利を含む。)の持分の価格の割合と同一の割合で、その債務の弁済の責めに任ずる。ただし、第29条第1項ただし書に規定する負担の割合が定められているときは、その割合による。
2 団地管理組合法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときも、前項と同様とする。
3 前項の規定は、団地建物所有者が団地管理組合法人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、適用しない。

(特定承継人の責任)
第54条 団地建物所有者の特定承継人は、その承継前に生じた団地管理組合法人の債務についても、その団地建物所有者が前条の規定により負う責任と同一の責任を負う。

(解散)
第55条 団地管理組合法人は、次の事由によつて解散する。
 一 土地等(これらに関する権利を含む。)の全部の滅失
 二 土地等(これらに関する権利を含む。)が団地建物所有者の共有でなくなつたこと。
 三 集会の決議
2 前項第三号の決議は、集会において、団地建物所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した団地建物所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数でする。

(清算中の管理組合法人の能力)
第55条の2 解散した団地管理組合法人は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

(清算人)
第55条の3 団地管理組合法人が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる。ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は集会において理事以外の者を選任したときは、この限りでない。

(裁判所による清算人の選任)
第55条の4 前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。

(清算人の解任)
第55条の5 重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる。

(清算人の職務及び権限)
第55条の6 清算人の職務は、次のとおりとする。
 一 現務の結了
 二 債権の取立て及び債務の弁済
 三 残余財産の引渡し
2 清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

(債権の申出の催告等)
第55条の7 清算人は、その就職の日から2月以内に、少なくとも3回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、2月を下ることができない。
2 前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
3 清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
4 第1項の公告は、官報に掲載してする。

(期間経過後の債権の申出)
第55条の8 前条第1項の期間の経過後に申出をした債権者は、団地管理組合法人の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。

(清算中の管理組合法人についての破産手続の開始)
第55条の9 清算中に団地管理組合法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになつたときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。
2 清算人は、清算中の団地管理組合法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。
3 前項に規定する場合において、清算中の団地管理組合法人が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。
4 第1項の規定による公告は、官報に掲載してする。

(残余財産の帰属)
第56条 解散した団地管理組合法人の財産は、規約に別段の定めがある場合を除いて、土地等(これらに関する権利を含む。)の持分の価格の割合と同一の割合で各団地建物所有者に帰属する。

(裁判所による監督)
第56条の2 団地管理組合法人の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。
2 裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。

(解散及び清算の監督等に関する事件の管轄)
第56条の3 団地管理組合法人の解散及び清算の監督並びに清算人に関する事件は、その主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

(不服申立ての制限)
第56条の4 清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

(裁判所の選任する清算人の報酬)
第56条の5 裁判所は、第55条の4の規定により清算人を選任した場合には、団地管理組合法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該清算人及び監事の陳述を聴かなければならない。

第56条の6 削除

(検査役の選任)
第56条の7 裁判所は、団地管理組合法人の解散及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。
2 第56条の4及び第56条の5の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。この場合において、同条中「清算人及び監事」とあるのは、「団地管理組合法人及び検査役」と読み替えるものとする。

■ 補足

 

 機械的に読替えを行った結果は上記のとおりです。

 上記読替え後の26条2項には「第21条において準用する場合を含む。」という文言が残っていますが、もともと団地には21条の規定が準用されることはありませんので、この文言に実質的な意味はありません。

 また、上記読替え後の30条3項には「前2項に規定する規約」という文言が残っており、30条4項には「第1項及び第2項の場合には」という文言が残っていますが、もともと30条2項は準用から除外されていますので、30条2項の部分が適用されることはありません。

 さらに、上記読替え後の52条1項には、「第57条第2項に規定する事項を除いて、」という文言が残っていますが、もともと団地には57条2項の規定が準用されることはありませんので、この文言にも実質的な意味はありません。

 

(弁護士/平松英樹)

 

 

 
 
 

最新記事

すべて表示
管理組合の理事長個人の応訴費用(弁護士費用)の負担について

【質問】  管理組合の理事長個人が理事長としての業務遂行に関わる行為について訴訟の被告とされた事件(以下「個人被告事件」といいます。)の応訴費用(弁護士費用)を管理組合が負担する旨を総会で決議した場合、そのような総会決議は無効でしょうか。 ■ はじめに  個人被告事件の応訴費用(弁護士費用)を管理組合が負担する旨を総会で決議した場合、後日、組合員から管理組合を被告として総会決議無効確認の訴え(以下

 
 
 
駐車場区分所有者の議決権を認めない旨の管理規約の定めについて

【質問】  私は、マンション管理組合の理事長です。当マンションには専有部分(登記あり)としての駐車場があります。その駐車場の所有者は別の住戸(専有部分)の区分所有者でもあります。  当マンションの管理規約上、(原始規約の時点から)駐車場所有者の議決権は認められていません。なお、駐車場以外の専有部分についてはそれぞれ1議決権が認められています。  この度、駐車場所有者から、「駐車場にも議決権が認めら

 
 
 
区分所有法7条の先取特権に基づく動産競売について

【質問】  私は、マンション管理組合の理事長です。当マンションに管理費等を滞納している区分所有者(兼居住者)がいます。当該滞納者が所有する建物(不動産)について先取特権【※1】に基づき不動産競売を実行しようと考えています。そのため、まずは、先取特権に基づく動産競売の申立てをする予定ですが、この動産競売申立ての手続について教えてください。  【※1】区分所有法7条 (先取特権) 第7条 区分所有者は

 
 
 

コメント


bottom of page