• @lawyer.hiramatsu

所有者不明建物管理命令・管理不全建物管理命令と区分所有建物との関係

更新日:1月16日

 前回は、令和5年4月1日に施行される「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)により改正される民法の条文を確認しました。

 この改正により所有者不明建物管理命令(民法264条の8)や管理不全建物管理命令(民法264条の14)の規定が創設されました。


 ただし、「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)附則21条は下記のとおり定めています。


 民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)附則21条

(建物の区分所有等に関する法律の一部改正)
第二十一条 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。
 第六条に次の一項を加える。
4 民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百六十四条の八及び第二百六十四条の十四の規定は、専有部分及び共用部分には適用しない。
 第七条第三項中「(明治二十九法律第八十九号)」を削る。

 つまり、所有者不明建物管理命令(民法264条の8)や管理不全建物管理命令(民法264条の14)の規定は区分所有建物の専有部分及び共用部分には適用されません。

 一応、令和5年4月1日改正後区分所有法6条及び7条についても確認しておきましょう。


 令和5年4月1日改正後区分所有法6条及び7条

(区分所有者の権利義務等)
第六条 区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
2 区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。
3 第一項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者(以下「占有者」という。)に準用する。
4 民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百六十四条の八及び第二百六十四条の十四の規定は、専有部分及び共用部分には適用しない。

(先取特権)
第七条 区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。
2 前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
3 民法第三百十九条の規定は、第一項の先取特権に準用する。


最新記事

すべて表示

規約・集会議事録の閲覧請求権については、「マンション管理:利害関係人の規約・集会議事録の閲覧請求と管理者(理事長)の閲覧拒絶について」でも取り上げましたが、今回は、規約・集会議事録の謄写請求権について検討してみましょう。 ■ 検討 まず、区分所有法上は、閲覧請求のみ規定し、謄写請求の規定はありません。また、多くの管理組合においても、管理規約で閲覧請求のみを認め、謄写請求については認めておりません。

今回は、借地借家法22条〜24条【※1】の規定に基づく借地権(広義の定期借地権)について確認します。 ■ はじめに 定期借地権の制度は、1992年8月1日施行の借地借家法により創設されました。その後、借地借家法の一部を改正する法律(2008年1月1日施行)により現在の内容【※1】となっています。 なお、1992年8月1日施行時の条文は後記【※2】のとおりです。現在の条文【※1】と以前の条文【※2】

今回は、普通借地権(以下、単に「借地権」といいます。)を前提として【※1】、借地権の存続期間や借地上の建物の建替えについて検討します。 はじめに旧借地法下で設定された借地権に適用される規律を確認します。 次に、借地権の存続期間について、「旧借地法下で設定された借地権」と「現在の借地借家法下で設定された借地権」とを区別し、それぞれの「当初の存続期間」、「更新後の存続期間」を確認し整理していきます。