top of page
  • @lawyer.hiramatsu

集会議事録が電磁的記録で作成されているときの電子署名について

更新日:2023年12月13日

 今回は、区分所有法42条4項に規定する「法務省令で定める署名に代わる措置」について確認してみます。

 区分所有法42条(令和3年9月1日改正施行)の規定は以下のとおりです。

(議事録)
第42条 集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。
2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。
3 前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名しなければならない。
4 第2項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び集会に出席した区分所有者の二人が行う法務省令で定める署名に代わる措置を執らなければならない。
5 第33条の規定は、議事録について準用する。

1 区分所有法42条4項に規定する「法務省令で定める署名に代わる措置」とは


(1)「法務省令」とは

 区分所有法42条4項の「法務省令」とは、「建物の区分所有等に関する法律施行規則(平成15年5月23日法務省令第47号)」(以下「区分所有法施行規則」といいます。)を指します。


(2)「署名に代わる措置」とは

 「署名に代わる措置」については区分所有法施行規則4条【※1】に規定されています。つまり、電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)(以下「電子署名法」といいます。)2条1項の電子署名を指します。そのため、電子署名法2条1項の「電子署名」とは何なのかを確認する必要があります。


2 電子署名とは


 電子署名法2条1項の「電子署名」とは、電磁的記録(=電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの)に記録することができる情報について行われる措置であって、①当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること及び②当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであることのいずれにも該当するものをいいます【※2】。 


3 実際には


 上記のように電子署名の定義は抽象的でよく分かりません。具体的にどういうものが「電子署名」に該当するのでしょうか。

 私は、とりあえずアドビ社が提供しているAdobe Signを試しています。

 なお、アドビ社は、Adobe Signと電子署名法3条との関係も説明しています(https://www.adobe.com/jp/documentcloud/business/discover/sign/legal/daisanjyou.html)。参考になります。


【※1】区分所有法施行規則第4条について

(署名に代わる措置)
第4条 法第42条第4項に規定する法務省令で定める措置は、電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第2条第1項の電子署名とする。

【※2】電子署名及び認証業務に関する法律第2条1項について

 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。 
 一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。 
 二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

 

 

 



最新記事

すべて表示

破産財団に関する訴訟(区分所有法59条に基づく競売請求訴訟)と破産手続開始決定との関係

今回は以下のようなご質問(「本件」といいます。)について検討します。 区分所有法59条に基づく競売請求訴訟の係属中に、被告の区分所有者(自然人)に対し破産手続開始決定がなされた場合、係属中の訴訟はどうなりますか。 ■ はじめに 1 原則論 破産法44条1項【※1】は、破産手続開始決定時に係属する「破産者を当事者とする破産財団に関する訴訟手続は、中断する。」と規定しています。 区分所有法59条に基づ

漏水等の事故による損害賠償請求の損害額認定について

■ はじめに 漏水トラブル(土地工作物責任)による損害賠償(金銭賠償の原則)については、2023年2月5日付の記事で簡単に触れていますが、実際の事件(事故)における損害額の認定は容易ではありません。 損害が生じたこと自体に争いがない場合でも、その損害額に関しては、被害者側の考え(主張)と加害者側の考え(主張)に開きがあることは少なくありません。 その場合、最終的に裁判所に認定してもらうことになるで

マンション共用部分の工作物責任(管理組合の占有者該当性)について

■ はじめに 工作物責任(民法717条1項)との関係におけるマンション共用部分の占有者については、2021年12月26日付の記事で裁判所の判断の傾向を紹介しました。 区分所有者全員が「占有者」として賠償責任を負うべき場合、その賠償責任の履行について、規約の定め又は集会の決議により管理組合としてなすことが可能かどうかに関しては、2024年4月23日付け記事で私見を述べました。 ところで、2024年4

Comments


bottom of page