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理事長が、理事会の決議を経ずに臨時総会を開催した場合について

更新日:2日前

 今回は、マンション標準管理規約(単棟型)(以下「標準管理規約」といいます。)の規定をベースに、理事長が独自の判断で臨時総会を開催した場合のことを考えてみます。


1 標準管理規約の規定について


 標準管理規約42条4項は以下のとおり定めています。

 理事長は、必要と認める場合には、理事会の決議を経て、いつでも臨時総会を招集することができる。

 また、標準管理規約54条1項1号~4号は、以下のとおり定めています。

 理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。
 一   収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案
 二   規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する案
 三   長期修繕計画の作成又は変更に関する案
 四   その他の総会提出議案

 つまり、本来は、理事長が勝手に臨時総会を招集することはできませんし、また総会提出議案は理事会で決議されることが予定されています。

 ただし、現実問題として、理事長が独断で臨時総会を招集することはあり得ます。


2 実際に臨時総会が開催され、決議された場合


 では、理事長が、独断で臨時総会を招集し、実際に総会が開催され、「決議」されてしまった場合、その決議は無効となるのでしょうか。

 現在トラブルとなっている事件への影響を考慮して、詳細な説明は控えますが、以下のような考え方の組み合わせによって有効と判断されることはあり得ます。

 したがって、そのような事態を避けたい理事や監事その他の区分所有者としては、総会決議前の行動が重要となってきます。


考え方1(東京地裁令和元年9月27日判決をもとにアレンジ)

 理事会決議を要する旨の管理規約の定めがある以上、理事会決議を経ていないことは、総会決議の瑕疵といえるが、その瑕疵は軽微なものにすぎない。
 その瑕疵があったことが総会決議の結果に影響を与えるものではなく、他に瑕疵もなければ、総会決議は有効といえる。

考え方2(東京地裁平成22年8月27日判決をもとにアレンジ)

 当該マンション(非法人管理組合)の管理規約は、理事会を設置することとした上、理事会で総会提出議案等の議決をすることを定めているが、区分所有法上、区分所有者の財産権に影響する事項はすべて集会(総会)決議事項とされていることにも照らすと、理事会は、集会(総会)提出議案の準備をするための機関にすぎない。
 適法な理事会の議決を欠いたまま理事長が招集した総会の決議は、そのことをもって直ちに無効ということはできない。


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