top of page
  • @lawyer.hiramatsu

マンション管理:通常総会の議長について

 今回は、次のような質問について考えてみましょう。

 私たちのマンションの管理規約には以下のような定めがあります。
 「理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2か月以内に招集しなければならない。」
 「総会の議長は、理事長が務める。」
 「副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるときは、その職務を代理し、理事長が欠けたときは、その職務を行う。」

 この度、理事長により通常総会が招集されたのですが、理事長に突然の事故があり、総会に出席することができなくなりました。また、副理事長も病気のため出席できません。
 このような場合、議長になるべき者がいないとして流会にすべきなのでしょうか。

■ 回答


 議長の問題に限っていえば、他の議事に先立って議長の選任決議をして進めればよいでしょう。ただし、委任状等の取り扱いに関しては注意が必要です。

 ご質問の趣旨は、「管理規約に『総会の議長』についての定めがある場合【※】でも、総会の決議をもって当該総会の議長を選任することができるのか」ということでしょうか。

 私見としては、当該会議体(総会)の意思決定(普通決議)によって、規約で定められた者以外の者を議長に選任することは可能であると考えます。


【※】区分所有法41条

(議長)
第四十一条 集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。

最新記事

すべて表示

今回は、以下のような質問について検討します。 当マンションの区分所有者Yさんは外国人(韓国籍)です。  Yさんは、現在、日本に居住しておらず、外国に居住しています。  当マンション管理組合は、Yさんに対し、管理費等請求訴訟を提起したいのですが、そもそも外国にいるYさんに訴状等の送達は可能なのでしょうか。 ■ はじめに 外国にいる人に対する送達に関しては、民事訴訟法108条【※1】や110条1項3号

今回は、以下のような質問について検討します。 本件マンションにおいて、先日、通常総会が開催され、①収支決算及び事業報告、②収支予算及び事業計画、③役員の選任について決議されました。  その後、総会提出議案を決議した際の理事会に、理事Aさん宛の招集通知の発信が漏れていたことが判明しました。その事実をもとに、区分所有者Xさんが、「理事会決議に瑕疵があり、その瑕疵ある理事会決議に基づき提出された総会議案

今回は、以下のような質問について検討します。 一般的なマンション管理組合の管理規約では、マンション標準管理規約を参考に、総会議事録や理事会議事録の閲覧に関する規定【※1】、会計帳簿や組合員名簿等の閲覧に関する規定【※2】、規約の閲覧に関する規定【※3】が定められています。  仮に、区分所有者が、閲覧請求訴訟を提起しようとする場合、管理組合(権利能力なき社団)を被告とすべきなのでしょうか、それとも理

bottom of page