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  • @lawyer.hiramatsu

マンション管理:書面又は代理人による議決権の行使について

 今回は、マンション標準管理規約(単棟型)46条4項の規定(「組合員は、書面又は代理人によって議決権を行使することができる。」)について考えてみましょう。

 以下、「標準管理規約」いうときは、現在(令和4年2月時点)のマンション標準管理規約(単棟型)を指しています。


■ 標準管理規約46条4項の規定の意義


 建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」といいます。)39条2項は、「議決権は、書面で、又は代理人によって行使することができる。」と規定しています。

 この区分所有者の権利については、規約をもってしても否定することはできません。

「書面」による議決権の行使とは、区分所有者が総会(区分所有法上は「集会」)に出席せずに、総会開催前に、議事について賛否を記載した書面を総会招集権者に提出することによって議決権を行使することをいいます。

 「代理人」による議決権の行使とは、区分所有者(本人)から代理権を授与された者が、総会に出席して、本人の議決権を行使することをいいます。

 標準管理規約46条4項は、区分所有法39条2項の規定と同趣旨のものであって、別の意味を持たせたものではありません。


■ 標準管理規約46条5項の規定の意義


 標準管理規約46条5項は、以下のように定めています。

5 組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、以下の各号に掲げる者でなければならない。
 一 その組合員の配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)又は一親等の親族
 二 その組合員の住戸に同居する親族
 三 他の組合員

 区分所有法は、代理人の資格について制限を設けておりませんので、誰でも「代理人」になることができることになってしまいます。

 総会がかく乱されるのを防止し、区分所有者の利益が不当に害されることを防止する趣旨で、管理規約をもって、代理人の資格について相当な程度の制限を設けることは可能(有効)です。

 例えば、区分所有者の立場からみて利害関係が一致すると考えられる者に限定する趣旨の規定を規約に定めることも可能です。

 そこで、標準管理規約46条5項は、上記のような制限を定めています。

 

■ 標準管理規約47条6項の規定の意義


(1)みなし規定

 標準管理規約47条6項は、「書面」、電磁的方法が利用可能な場合は「電磁的方法」又は「代理人」によって議決権を行使する者は、「出席組合員とみなす」と規定しています。

このような規定があれば、書面等により議決権を行使する人も出席組合員【※】とみなされることは明らかです。

【※】「出席組合員」に関し

 定足数として、標準管理規約47条1項は「総会の会議(WEB会議システム等を用いて開催する会議を含む。)は、前条第1項に定める議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない。」と規定しています。

 また、普通決議の要件として、標準管理規約47条2項は「総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。」と規定しています。


(2)みなし規定が存在しない場合

 もし、当該団体の規約に標準管理規約47条6項のような規定が見たらない場合には、書面等提出者を出席組合員として取り扱うかについて混乱を生じさせてしまいます。

 私見としては、区分所有法における規定や当該団体規約の他の規定をもとに合理的かつ整合的に解釈して当該団体の規約が書面等提出者を出席組合員として取り扱う趣旨であるかどうかを判断すべきと考えています。

 結論的には、出席組合員として取り扱う趣旨のもののほうが多いでしょう。


(3)特別の規定が存在する場合

 例えば、「集会は、区分所有者の半数以上が本人または代理人によって出席しなければならない」というような規定がある場合には、「書面の提出をもって出席を擬制することはできないと解すべきであり、この場合には、区分所有者の半数以上の出席という要件を満たした上での集会の決議において、その書面を議決権の行使として取り扱うべきである」(『コンメンタールマンション区分所有法[第3版]』(稻本洋之助・鎌野邦樹著、日本評論社(2015年)233頁)ということになるでしょう。


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